2017/03/20

書評:藤原和博「本を読む人だけが手にするもの」|なぜ本を読むべきなのか?

 
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今回は藤原和博著「本を読む人だけが手にするものについてご紹介します。

 

 

藤原和博とは?

藤原和博は、奈良市立一条高等学校の校長で教育改革実践家です。

東京大学経済学部を卒業後、リクルートに就職し、東京営業統括部長などを歴任、メディアファクトリー(現KADOKAWAグループ)の創業にも携わりました。

リクルートを退職してからは、東京都では事務教育初の民間人校長として杉並区和田中学校の校長を務めました。

橋下元大阪府知事の特別顧問に就任したり、奈良市の教育改革のアドバイザーになったりと、教育業界の最前線で活躍しています。

 

「趣味としての読書」から「人生を切り開くための読書」へ

20世紀の日本では、世の中の流れと自らの人生を考えながら、自分だけの道を切り拓く必要がありませんでした。ドラッガーの「マネジメント」のような高尚な本をかじって、会社の権力構造さえわかれば知性がアピールできたのです。

つまり、この時代の人々は、趣味や見栄で読書をしている人が大半でした。自分の道を拓くために読書をしていた人はほとんどいなかったのです。

しかし、趣味が多様化し経済も下り坂になっている今の日本では、一人一人が幸せになるためにはどのようにすればいいのか考えなければなりません。

親が教えてくれるのは親の生き方であり、親のやり方です。ところがその親たちは、黙っていても7割程が幸福になれる時代を生きていた人々なのです。

ですので、親の言うとおり、先生に言う通りにしても、うまく保証はひとつもありません。彼らにとって、今の社会は未知の世界だからです。

だからこそ、今の20代30代は自ら自分の人生を切り拓くしかありません。

そのために、読書をする必要があり、教養を磨く必要があるのです。

 

「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される階層社会

2014年の12月10日NHK の情報番組クローズアップ現代で読書に関する興味深い放送があった。タイトルは「広がる読書ゼロ~日本人に何が~」だ。

(中略)

番組は、冒頭で文化庁が発表した「読書」に関する調査結果を挙げている。

1か月に1冊も本を読まないという人が47.5パーセントに達し、2人に1人は本を読まなくなったというのだ。

(藤原 和博|本を読む人が手にするもの)

あなたの周りにも、本を読まないという人は多いのではないでしょうか。

情報が溢れる現在では、スマホをいじればすぐに必要な情報を検索することができます。

しかし、ネットを使うばかりで本を読まない人の文章や考えは、テーマがあちらこちらに飛び散っていて、論理的な展開に乏しく、話をうまく着地させることができません。

一方で、読書の習慣がある人の文章や考えは、テーマが絞られ、論理的で、自分なりの考えが入っています。

読書を通じて知識を蓄積していかないと、自分の意見というものが出てこないのです。

深く論理的な思考をする上で、読書は絶対に欠かせないものなのです。

 

集中力とバランス感覚が身に付く

読書で身に付く大きな力が二つあります。それが、集中力とバランス感覚です。

一流の人は例外なく高い集中力をもっています。

時間がたつのを忘れるほど、夢中になって本を読む。読書を楽しむことが集中力を鍛えることに繋がります。

そして、読書ではバランス感覚も鍛えることができます。

バランス感覚とは、世の中全体と自分との適切な距離感を保てる能力のことです。

読書をすることで他人が体験したり調べたりした知識を獲得することが可能になり、自分の家の世界観が広がっていきます。

世界が広がれば、様々な視点で物事や他人を見ることができるようになります。

多様な視点を持つことでバランス感を磨くともに人格的な包容力や寛容の精神を育んでいくのです。

乱読で他人の脳の欠片をつなげる

脳科学者の茂木健一郎さんの本を読めば、茂木健一郎さんの脳の欠片があなたの頭の中に入ってきます。林真理子さんが書いた本を読めば林真理子さんの脳の欠片があなたの中に入ってきます。

本を読むことで、書いた人がその場にいなくても、その人の知識や考え方(脳の欠片)と繋がることができるのです。

もちろん著者の知識レベルや経験の人はあなたと異なりますので、著者の脳の欠片が全部くっつくわけではありません。同じ作家の本を読んでも、時期によって面白いと思ったりつまらないと思ったりする時もあります。

より多くの他人の脳のかけらを取り込むために必要なのが、色々な著者の本を読むこと、もっと突き詰めて言うなら、乱読することです。

自分の不得手な内容、目からウロコが落ちるような分野、これまではまったく興味がなかったことにも注目してみます。

和田さんは300冊が一つのブレイクスルーのポイントだったと述べています。

多種多様な脳の欠片を取り込むことで、「見方」を増やし、「味方」を増やすことができるのです。

 

「ロールプレイングする力」が磨ける

ロールプレイングする力は、ママゴトやヒーローごっこのように、他人の視点で世の中を眺めることで身につく。かつて子どもたちは、幼稚園から小学校低学年の頃、ママゴトやヒーローごっこをたっぷり経験したはずだ。

(中略)

ロールプレイングをすることは、このように、社会という複雑な世界をアタマのなかで整理して考えることにつながる。そうすることで、社会における他者の役割を効率的に学んでいくことができる。他人の身になって考えるという行為は、自分の脳と他人の脳をつなげることになるからだ。

実際に社会に出て働くようになると、再び、こうしたロールプレイングの技術が重要だという事に気づくはずだ。たとえば接客業であれば、お客さんの立場に立って物事を考えなければ大事なことが見えてこない。雑誌の編集でも、テレビ のディレクターでも、読者や視聴者を常にロールプレイできなければ、部数や視聴率を上げることはできないだろう。

(藤原 和博|本を読む人が手にするもの)

物事を他人の視点から見られるようになると、世界観が広がります。世界観が広がることで、考え方の幅が広がり、思考が柔軟になります。

ノンフィクション小説や伝記を読めば、他人の人生を体験することができます。事件や歴史上の人物の思考や気持ちを追体験することは、ロールプレイングする力を磨くのに最適なテキストなのです。

 

まとめ

読書がもたらす恩恵はあなたの想像は遥かに超えることでしょう。

ぜひ、本を手にとって、これからの世界を生き抜く武器にしていきましょう。

 

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