2017/03/22

書評:羽生善治「決断力」|意思の力を強くする!

 
power-to-decide

この記事を書いている人 - WRITER -

「優柔不断を治したい」と思っていませんか?

決断力を持っている人は、周りの人よりものごとを早く進めることができて、みんなをまとめるリーダーとして認められるようになっていきます。

個人で仕事をしている人でも、たびたび決断を迫られます。

自分の腕で生計を立てている、いわゆる「プロ」と呼ばれる人なら尚更です。

今回は、現在でも将棋界のトップ棋士として先頭を走り続けている羽生善治著「決断力 (角川oneテーマ21)」より、羽生さんが実践していることをご紹介します。

将棋は、一手一手が大きな決断です。

絶え間なく決断を求められる世界で、羽生さんはどのようなことを意識しているのでしょうか?

 

 

不利な状況を喜ぶ

落ち込むと、目や心が曇ってしまう。

私は、「こうなっては相手に勝てないだろう」と考えることはあまりしない。相手の棋風や出方を考えてしまうと、邪心が入ってしまう。それでは、「策士、策におぼれる」である。

あくまで、冷静に自分のペースを守ることから手が見えてくる。この「手が見える」は、プロ棋士でやっていくために重要なことだ。

(羽生 善治|決断力

落ち込むことがあったり、ピンチになると、どうしてもマイナスのことばかり考えてしまいます。「相手がこうしてくれればいいのに」と相手に自分勝手な期待を抱いてしまうかもしれません。

大事なのは、冷静でいること。落ち着いて自分のやるべきことができることが意思の力を強くするための第一歩です。

 

知識を「知恵」にする

小説を読んだりドラマを見たりしているときに、ふと「ああ、この先の展開が読めたな…」と思ったことはありませんか?

何回か見たことのあるストーリーの展開ならば、次第に登場人物の人間関係や性格、舞台設定を知っただけで、オチが見えてしまいます。

経験を積んで、パッと見て次の展開が読めてくるようになれば、余計な思考が省けます。余計なものを省ければ、その分早く結論に辿りつきます。

これが知識を「知恵」にするということなのです。

 

守ろうとすると後ろ向きになる

七冠をとったあと、米長先生から、釣った鯛をたとえに、

「じっと見ていてもすぐには何も変わりません。しかし、間違いなく腐ります。どうしてか?時の流れが情報を変えてしまうからです。だから今は最善だけど、それは今の時点であって、今はすでに過去なのです」

と戒められた言葉は、今も胸に深く刻まれている。

(羽生 善治|決断力

 

物事を進めようとするときに、「まだその時期じゃない」「環境が整っていない」とリスクばかりを強調する人がいるが、環境が整っていないことは、逆説的に言えば、非常にいい環境だと言える。リスクを強調すると、新しいことに挑戦することに尻込みしてしまう。リスクの大きさはその価値を示しているのだと思えば、それだけやりがいが大きい

(羽生 善治|決断力

誰でも、どんな場面でも、手堅くいきたいし、失敗はしたくありません。

しかし、リスクを恐れて同じことばかり繰り返していくと、自分のスタイルを狭めてしまい、だんだんと「もっと自分はしたいことがあるのに、試すこともできない」と自分の首を絞めてしまいます。

新しいことに挑戦することでしか、可能性を広げることはできません。

挑戦し続けるスタンスが重要なのです。

 

集中力だけを鍛えることはできない

深い集中は、面白さとセットになっていないと習得することはできません。

学校などで、したいと思えない勉強に熱中することができたでしょうか。

受験勉強で勉強漬けになる学生は、ゲーム感覚で英単語を覚えたり、語呂合わせで年号を暗唱したり、何かしら勉強を楽しくする工夫を凝らしています。

何かに興味を持ち、好きになって打ち込んでいく。「集中しよう!」とただ思うのではなく、本当に好きなこと、興味を持てること、打ち込めることが見つかる環境に身を置くことを意識するべきなのです。

 

自分なりのスタイル・信念を持つ

今は情報が溢れている時代です。ともすると、いつの間にか根も葉もない噂や根拠のないニュースに惑わされてしまいます。

自分なりのスタイルや信念があれば、それも基準にして物事を判断することができます。

もちろん、一つの型を極めるために何度も同じことをやれば、対応されることもありますし、自分の視野を狭めてしまう危険もあります。

需要なのは、自分で考えたことを実際に試してみることです。実践して、修正をかけていくことで、どんな情報にさらされても、一本筋の通った行動ができるのです。

 

才能がある人とは、継続できる人

以前、私は才能は一瞬の才能だと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。

直感でどういう手が浮かぶとか、ある手をぱっと切り捨てることができるとか、確かに個人の能力に差がある。しかし、そういうことより、継続できる情熱を持てる人のほうが、長い目で見ると伸びるのだ。

(羽生 善治|決断力

 

一つのことに打ち込んで続けるには、好きだということが根幹だが、そういう努力をしている人の側にいると、自然にいい影響が受けられるだろう。

さらに、ペースを落としてでも続けることだ。無理やり詰め込んだり、「絶対にやらなきゃ」というのではなく、一回、一回の集中力や速度、費やす時間などを落としても、毎日少しずつ続けることが大切だ。

無理をして途中でやめてしまうくらいなら、「牛歩の歩み」にギアチェンジしたほうがいいと思っている。

(羽生 善治|決断力

「継続を力なり」という言葉がありますが、続けた人が最後には生き残ります。

特に将棋の世界をはじめとするプロの世界は顕著ですが、努力しても、報われる可能性は非常に低い世界で同じ情熱・気力・やる気をもって継続して何かの打ち込むことは至難の業です。

何かに挑戦したらかなわず報酬を得られるわけではありません。しかも、周りには沢山の娯楽や別の道があります。

一度、歩みを止めてしまえば、遅れを取り戻すのに、大変な労力を必要とします。

ほんの少しでも良いので、絶えず前に進む人こそが、才能がある人なのです。

 

まとめ

稀代の勝負師の羽生さんですが、常識からかけ離れたこと意識して将棋をしているわけではありません。

「当たりまえ」のことを「当たり前」にすることで、決断力を身に付けることができるのです。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

この記事を書いている人 - WRITER -