書評:「アップル vs グーグル」|互いを高めるライバル関係

 
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あなたはiphoneを使ってますか?それともAndroid?

生活する上でアップルかグーグルのデバイスを使っていない人はいないでしょう。

このIT巨人の2社はかつては蜜月の関係でした。

しかし、その関係はAndroidの開発を機に対立関係に変貌します。

今回は、「アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか (新潮文庫)」より、アップルとグーグルの競争の歴史を紐解きます。


アップルもグーグルも巨大エンタメ企業

アップルとグーグルをエンターティメント機器業界の巨大企業と考える人はほとんどいないだろうが、アップルは、iTunes によって、購入される音楽全体の25%パーセントと、180億ドル規模のホームビデオ市場の6から10%を支配しているし、Google も、すでに世界の何千万という消費者の動画投稿先になっていうYouTube に、何百万ドルもの資金を投入してオリジナルの番組を流し始めている。

(フレッド・ボーゲルスタイン|アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか)

アップルをiphoneとmacを販売する会社、グーグルを検索の会社と考える人も多いでしょう。

しかし、この2社は、あらゆる業界に進出し続けています。

特にグーグルの手の広げ方は凄まじいものがあります。

昨年流行ったポケモンgoの開発元であるNiantic, Inc.(ナイアンティック)も元はグーグルの社内スタートアップでした。

巨大IT企業が世界を支配する、という言葉も過言ではなくなってきています。

 

グーグルのメンタリティ

グーグルの企業理念は、共同設立者であるラリー・ペイジのエピソードからも伝わってきます。

共同設立者で現CEO のラリー・ペイジがいちばん腹を立てるのは、大きく考えないこと、あるアイディアでどれだけ儲けれるかを言い立てることだった。

彼は2006年、会社に数百万ドルの損害を与えたシェリル・サンドバーグを褒めたことで有名だ。サンドバーグがフェイスブックのCOO(最高執行責任者) ではなく、Google の自動広告システム担当副社長だった時のことである。

「今回のことは本当に申し訳ないと思います」フォーチュン誌によると、サンドバーグはペイジにそう言ったらしい。するとペイジは彼女を責めずに、こう答えた。

「今回のミスをしてくれて本当に良かったと思ってる。慎重すぎて、やることが少ない会社より、動きが速すぎて、やることが多すぎる会社にしたいからね。こういうミスが全くなかったら、それはリスクを冒し方が足りないということだ」

(フレッド・ボーゲルスタイン|アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか)

アンドロイドの完成を掲げたアンドロイド・プロジェクトは実行可能なアイデアよりも突飛なアイデアを重視していました。

普通の企業ではまずできないこのプロジェクトはグーグルの文化なくしてはできないものです。

グーグルのオフィスの写真を見て、憧れを持った人もいるかと思います。自由な発想を重視する理念がオフィスにも表れています。

 

製品アプローチの違い

Apple のビジネスは、かかったコストよりはるかに高い価格で機器を売って、儲けを新製品の開発に充てることでまかなっている。

Android のアプローチは全く逆だ。グーグルは機器の製造費や利益に関係なく、まずプラットフォームを育てようとしていた。儲けはハードウェアからではなく、広告から出ていた。

(フレッド・ボーゲルスタイン|アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか)

iphoneとAndroidの端末価格を見て、その価格差に驚いたことがある人もいるかと思います。

アップルはスティーブ・ジョブズのもとでappleユーザーに対して徹底的な囲い込み戦略を行いました。目指したのは、高価でスマートなデジタル機器です。

一方、グーグルは、あくまでプラットフォームを提供するだけで開発は他企業やユーザに任せました。目指すものが、星の数だけあるのです。

 

アップルがサムスンを訴えた意味

アップルがサムスンと世界中で特許争いをしていたニュースを覚えている人もいるでしょう。

じつのところ、アップルの訴訟は道義心に導かれたわけではなく、勝ちたいという思いを、戦略と戦術のかぎりを尽くして実現したものだったと関係者は言う。

特許権侵害訴訟は大抵そういうものだから、驚くまでもない。アップル側がどう表現しようと、結局ジョブズや彼の後継者にとって、サムスンを訴えることは、Android攻撃のひとつの下に過ぎなかった。

(中略)

アップル側には、裁判がダラダラと長引けば、Android の開発が遅れるかもしれないという思惑があったのだ。

(フレッド・ボーゲルスタイン|アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか)

Androidはiphoneの後に生まれました。

Androidの開発が公になるまでは、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズは、Googleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・プリンに対してIT業界を共に生きている可愛い後輩のように接していました。そしてグーグルの二人もジョブズを師匠のように思っていました。

しかし、その蜜月関係もAndroidが公になり、それがiphoneと競合するものであると判明するにつれて崩れていきます。

そこで生まれたのが、Androidを搭載したスマホを提供するサムスンとアップルとの特許争いでした。

 

ipadが生活を変えた!

昨今ipadの販売不調が報道されていますが、ipadの登場は私たちの生活にとって大革命でした。

iPad は、5つの産業をひっくり返したのである。本・新聞・雑誌の買い方や読み方を変え、映画やテレビを見る方法も変えた。それらの総収入は2500億ドル、国内総生産(GDP)の約2%にのぼる。

(フレッド・ボーゲルスタイン|アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか)

この他にも、色々な職業の人達のライフスタイルをiPadは変革しました。

パイロットは、航空図や滑走路のデータ、気象報告を積み込んだ大きなカバンを持ち歩く必要がなくなりました。

子供はPC より遥かに早くiPadの使い方を覚えることから、幼稚園からiPad がカリキュラムに組み込まれるようになった教育施設もあります。

医者もハリウッド映画撮影でもipadは活用されています。

スマホでなく、なぜipadでそのような変革が起きたのでしょうか?原因は「画面

の大きさ」でした。

スマートフォンの画面はストレスなく映画見たり本を読んだりするには小さすぎます。広告にしても、スマホの小さな画面に高額の予算をかけた広告を流す会社はなかなかいませんでした。

実際に、電子書籍を読もうと思ったらKindleがあります。Youtube・ネットサーフィンをごろ寝しながら楽しみたいなら格安タブレットがあります。

大画面で楽しむという需要は今なお確かに存在します。

iPad の画面の大きさに惹かれて、多くの企業がコンテンツの配信を始めて、どんどん利用法を工夫するようになりました。

たった一つのデバイスがITとメディアの融合(=コンバージェンス)を成し遂げたのです。

 

まとめ

アップルもグーグルも創業者が前線をはる時代は終わり、現在は創業者の意思を継いだ後継者が2社を引っ張っています。(グーグルの創業者たちは、新規事業を生み出すためにグーグル本体の経営を後継に託しています)

過去のように思えますが、2社は今も互いに争い高めあいながら、たくさんの商品をわたしたち消費者に提供しています。

良いライバル関係が、良い影響を与え合っている結果といえるのではないでしょうか。

 

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