2017/04/12

書評:泉正人「流される力」|自分で考えるな!

 
ability-to-be-flown-izumi-masato

この記事を書いている人 - WRITER -

今まさに新卒の社会人が入社してくる時期ですね。

新人の頃、「そんなことは自分で考えろ!」と言われた経験はありませんか?「今でも言われているよ!」という人もいるかもしれません。

自分で考えないと成長しない、という考えでこのような言葉が発されているのですが、はたして本当に自分で考えた方が成長するのでしょうか。

泉正人「流される力」では、そのような教えに対して真っ向から「NO!」を突き詰めます。自分で考えるのではなく、できる人の教えと通りに流されるべきなのです。


 

泉正人とは?

泉正人とは、日本最大級の独立系経済金融教育機関である日本ファイナンシャルアカデミーの創設者です。

美容師として働き始め、当時のオーナーに「流され」て、4年で店長に抜擢。その後も、様々な人に「流された」結果、IT・不動産・金融経済教育の学校設立など、色々な分野で活躍しています。

 

なぜ「自分で考える」のはダメなのか?

かつての職人さんの世界などでは、先輩の技術を見て盗んで、長年かけて自分の力にしていくのが常識でした。

しかし、今日の技術や知識が明日には古くなっているような情報化社会では、このようなやり方だと時代に取り残されてしまいます。

自分か壁だと思っていることなどを含めてほとんどのことは、世の中のだれかがすでに経験していることです。

いまのような情報化社会では、その道の経験を積んだ人に教えてもらうほうが早く成長できるといえるでしょう。

(泉 和人|流される力

あなたが将来は野球選手になりたいと思った場合、どのよう人に習いたいと思うでしょうか?プロ野球選手だった人でしょうか?もしくは、野球を一度もしたことの無い人でしょうか?

経験や知識のある人から教えを受けることができれば、リスクは小さくなります。なぜなら、そのような人は、あなたよりもはるかに多くの経験と知識をもち、その知見から、あなたにピッタリの提案をしてくれるからです。

独学で何かを成し遂げようとするとどうしても回り道をしてしまったり、見当違いの方向に進んでしまう可能性が高まります。我を張って、実績のある人のいう人のアドバイスを聞かなかったために10年かかったことを、アドバイスをそのまま実行したら1年で成し遂げることもあるのです。

効率的に何かを達成したいという視点で見ると、自分で考えることがいかに非効率的かがわかるでしょう。

 

教えてもらえない人間になっていないか?

教える立場になってみるとわかると思いますが、「我」や自分の考えにとらわれている人には、教えてあげようという気が起きません。

「自分には自分のやり方がある」

「自分はこの分野ではだれにも負ける気がしない」

このように思っている人に対して、なにか助言を与えてあげようと思うでしょうか。

(泉 和人|流される力)

教える人、教えてもらう人の関係は、教えてもらう人が一方的に「教えてください」という関係ではなく、教える人が「この人に教えたい」と思える「自分」にならなければ成立しない関係です。

社会に出ると、自分の考えをしっかり持っていることを美徳、かつ大人の人間として評価する傾向があります。そのため、しだいに「自分の考え」に固執していき、頑固な人間が出来上がっていきます。

教える立場になってみるとわかりますが、「我」や自分の考えにとらわれている人には教えてあげようという気がおきません。

「オススメの本を教えて!」と言われて教えたのに、後日オススメした本を読んだか尋ねたら「まだ読んでないんだよね~」と言われたらガッカリした経験はないでしょうか。

教えてもらうには、まず「自分がすべて」という考えを捨てて、だれからの意見も素直に受け入れる態勢を整える必要があります。

 

教えたい人とはどんな人?

たとえば、おいしいラーメン店を紹介したにもかかわらず、相手が行かなかったとしたら、教えた人は「この人は、教えても実際に行くことはしないんだな」と思い、それ以後、その相手に良い情報を教えなくなってしまうでしょう。

一方で、紹介されたラーメン店に足を運んで食べてきたとしたらどうでしょうか。きっと教えた人も、「自分のおすすめのお店にわざわざ行ってきてくれたんだ」とうれしい気持ちになり、その相手にまた違うお店の情報を教えたくなるに違いありません。

(泉 和人|流される力)

先ほども触れたように、アドバイスを聞き入れない人には、アドバイスしたくなくなります。

アドバイスを聞き入れないということは、良い情報を手に入れる機会を失うとともに、教えてもらいたい人との信頼関係が崩れ、以降何も教えてもらえなくなってしまいます。

では、どうすれば「教えてあげたい」と思われる人間になれるしょうか。それは、他人を信じて行動すること、つまりは素直になれば良いのです。

教えてもらったことを、どんな小さなことでもすぐに実践して、その結果を報告すること。フィードバックをすぐにできれば、教えた人は「教えた通りにやったのか!じゃあ、これも教えてあげよう」とさらに新しい情報を教えてくれるようになります。

もちろん、いきなり「すぐに実行するので、何か教えてください」というだけではダメです。自分で努力しないで成果を得たいという姿勢は、教えてくれる人をしらけさせます。

「なんで教えてくれないの?」と不満を言う前に、自分で調べた上で質問したりして、教えたくなる人間になっているかを振り返ることも重要です。

どんな人に教えてもらえれば良い?

本来、「ワインの文化を知って人との関係を大切にしたい」という思考でワインを飲みたいと思っている人が、知識やウンチクを語るだけのワイン通の言うことを聞いてしまうと、目指している目的からは遠ざかってしまいます。

(中略)

たとえ、身近な信頼できる人であっても、その人のやり方が自分に向いているかどうかを見極めなければならないのです。

(泉 和人|流される力)

ではどんな人を手本にすればよいのでしょうか?

本書では手本にするべき人の条件として、以下の5つが挙げられています。

  1. 自責思考
  2. 素直さ
  3. 親身であること
  4. 言葉と行動の一致
  5. 成果と結果

自責思考

起きている問題を他人や社会のせいにすることなく、自分自身が起こした結果として捉える人です。

自責思考のある人は、問題をうまく解決し、前向きに人生を生きています。

 

素直さ

素直な人は自分のできることと、できないことの判断を冷静に行えます。できないところは他人の意見を聞き入れるので、あなたとも素直な関係を気付くことができます。

 

親身であること

親身な人は、あなたに対して、正しいことをしたり、有益なアドバイスをしてくれます。

「良くなってもらいたい」「良い情報を教えてあげたい」という純粋な気持ちであなたに接してくれるので、騙されたりなどの大きなリスクを負う可能性が低くなります。

 

言葉と行動の一致

評論家みたいに偉そうな人を言っていても、自分は行動しない頭でっかちな人に教えを請う必要はありません。

言葉と行動が一致している人なのかよく見極める必要があります。

 

成果と結果

その人が成果を出しているか、成果物(結果・事業・分野)で判断することも大切です。

実績や経験のある人が、それらがない人を見極めることは簡単です。反対に、実績も経験もないあなたが、それらがある人も見極めることは困難です。

だからこそ、自分の目で判断できる成果や結果を見る必要があります。

特に注意すべきは、親や会社の先輩・後輩・同僚などのあなたに近しい人です。このような人は、親身にアドバイスしてくれるケースが多いのですが、この成果と結果という点で見ると欠けていることが多々あります。

専門家でもない人から、「自分が過去に失敗したので、身内には失敗してほしくない」という優しさからアドバイスをもらっても、本当の意味であなたのためにはなりません。

 

まとめ

「我」を持つのは、あなたが成長した後に持つべきものです。

何かを得たいと思っているなら、「我」は横に置いて教えてもらったことをそっくりそのまま実行しましょう。素直に言われたことを実践し続けて、ふと自分を見つめなおした時、以前よりもはるかに成長した自分に出会うことができるでしょう。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

この記事を書いている人 - WRITER -